カトウのブログ

観た映画や読んだ本、その他について

もう一度見たい映画、見たくない映画

先週は録画しておいた映画を2本見ましたが、偶然にも両方とも子供が主人公のものでした。と言っても、内容とテーストはかなり違っていました。一本は「もう一度見たいな」と思わせるもので、もう一本は「もういいや」と思ってしまった映画でした。

 

でその映画、見終わった後すぐにもう一回見たいと思ったのは「ヒューゴの不思議な発明」。もういいやと思った映画は「シモンの空」という映画です。

 

ヒューゴの不思議な発明」は1930年代のパリが舞台の映画で黎明期の映画にオマージュを盛り込んだ映画愛にあふれたものでした。主人公の少年と少女が映画が出来た頃に案内してくれるような趣があって、全体のあたたかさを感じさせる色のトーンとおしゃれ感。そんな頃のパリのことなど知りもしないのに、何故か懐かしさを感じさせてくれて心が温まる。ハラハラドキドキが強烈じゃないのも逆に良よかったかもしれません。登場する小物も手が込んでいて魅力的だし映像もきれい。まあ、少し物足りないと言う人もいるかもしれませんが、ぼくにとってはこのくらいが丁度いい匙加減という感じでした。

 

一方「シモンの空」は、12歳の少年シモンがスキー場で盗みを働きながら生きる姿を描いている映画でした。社会派映画というのでしょうか、いろいろな境遇の子供たちは世界中にいて、生きるための子供の姿を同情することもなく、冷徹に追っているという感じのものでした。だからなのか、この映画を見ていて一度もいい気持ちになることもなく、ただ不快な、嫌な感じのモヤモヤだけが継続していました。

シモンには肉親が姉しかいなくて、ただ、その姉との関係もいろいろあって、そんなことが明らかになっていくにつれ、さらにやり切れなさを増していく感じでした。

 

ただ、こういう映画ってただ不快なだけじゃなく、しっかりと心に残るものがあって、たぶん簡単には忘れないだろうなと思ったのも事実。もしかしたら、時間が経つと不快だった気持ちが変化するのかもしれません。もしかしたら、記憶に残り続けるのはこっちの方だったりして。

 

自分にとっては、ジャンルは違っても両方必要な映画なんだろうなと思った次第でした。