カトウのブログ

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普通の家族

『普通の家族がいちばん怖い 崩壊するお正月、暴走するクリスマス』(岩村暢子・新潮文庫)を読みました。223世帯を対象にした「普通の家族の実態調査」です。御節料理やクリスマスから他人の家の中が垣間見えて面白かったです。

 

特に興味深かったのは、クリスマスの電飾についての調査。そこから見えてくる家族の風景。この本ではクリスマスの電飾と「クリスマス料理の手作り率」や「クリスマスに家族が一緒にいる率」や「おせち料理の手作り率」を割り出すという面白いことをしていました。結果、上のすべて、クリスマスに電飾をする家の方が確率が低いということに。意外だったけど、なるほどという気もしてまいました。もちろん、うちの家族は違うという家はたくさんあるでしょうけど。

 

この結果をみると、クリスマスに電飾をしている家は、クリスマス料理の手作りはしないし、家族一緒にもいない、おせちも作らない率が高いということ。クリスマスの電飾は「人への幸せ家族のアピール」ということなんでしょうか。「幸せそうに見せたい」というのは年賀状の家族写真もそうかもしれませんし、「他人に自分や自分の家族がどうみえているかにこだわる人が多い」とことらしいです。(年賀状の写真は以前からそうだったようですが、最近ではどうなんでしょうか?個人的には気にならなくなったけど)

 

もちろん、少なからず、幸せに見せたいと思う人は多いと思います。特別それが悪いことではないと思いますが、度が過ぎるとということかもしれません。

 

そういえば、先日ラジオに内田樹さんが出演されていて、話していたのですが、「一番教養のない年齢層」があると言っていました。今の35~45歳くらいだそうです。教養に対する反発。自分が個人的に好きなものにのめり込んでいくということで「反教養主義」というのだそうです。オタク文化は反教養主義の最たる物とのことです。

 

それとは関係なのかもしれませんが、クリスマスのサンタを子供に信じていてほしいのはそれが「私が楽しいから」とか、旦那が食事中に子供にうるさく躾るのを嫌う傾向も「食事の楽しい雰囲気が壊れる」と答えているのを読むと、自分も含めてどうも個人というキーワードと結び付く感じもしてしまいました。