クラッシュ
映画『クラッシュ』(2004/米/ポール・ハギス)はすごくいい映画でした。
アメリカ、ロサンジェルスを舞台の人間模様というんでしょうか。
いろんな人種や様々な立場の人たちがいて、そこには偏見や差別や立場の違いが至る所にあるからなのか、どこかそれぞれがストレスを抱えて生きている。そのストレスから恐怖と暴力が生まれたり、昨日まで同じ価値観を共有していてたはずの人までが、そんな日常普通に転がっている他人のストレスのせいで突然亀裂が生じたり。
とにかく、嫌でも日々いろんな人に遭遇して、生きていかなければならないしその中で様々な事が起こっているというのを実によく表していました。
この映画は一人一人の描き方というか、その周辺を含めたショートストーリーが切なく美しくのが素晴らしかった。そして、そのそれぞれが互いに絡み合いながら話が展開してくのが見事。映画としてのテーマは軽くはないけど、映画の出来がいいので考えさせられましたね。
人間は良いとこもあれば欠点もあるのが普通だから、安易にはその人の全体を判断でできない。当たり前だけど、けっこうそれを忘れて単純に人を判断しちゃいがちかもな。でも、職場にしても近所にしても、人間関係って何も考えずに色分けして過ごしているのかもしれないし。それを考えると、皆が平和に暮らしていくって、かなり奇跡的な事かもと思ってしまいました。