カトウのブログ

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屏風絵の見方

NHKの日曜美術館で江戸絵画コレクターであるジョー・プライスのコレクションが紹介されていました。(放送は2週間程前だと思いますが)

 

番組では「江戸時代と同じ灯りで絵を見るとどのように見えるのか?」ということで、行灯の灯りで見るという試みがされていました。「江戸時代に近い環境の灯りで見る事によって、絵師の思いが伝わってくるのではないか」と言っていまいたが、確かにそれは大事な事だろうなと思えるものでした。

 

本来、屏風って平面ではなく、曲げて立体感を楽しむのは当然として、生活の中にあるものなので、座って見るのがいいと聞いた覚えがあります。作者は、見る角度による違いを工夫して描いていたと言われますし、当然、部屋の明るさや自然に差し込む光の加減なんかも考慮したでしょうから、作者の意図をくみ、環境を整えて見ることが屏風絵の楽しみ方ということが言えるのかもしれません。

 

見た屏風絵は、ヤナにかかった鮎とカニが描かれた「簗図屏風(やなずびょうぶ)」という作品で作者は不明というもの。夜を想定して、灯りを落とし、行灯の灯だけで見てみると、確かにだいぶ趣が違ってみる事ができました。といってもTVだとイマイチわかなかったのですが。9種類の金箔が使われているという作品からして、実際見てみたらさぞいいだろうな思える試みでした。

 

そういえば、前に美術館で屏風絵を見たときに、照明をゆっくりと暗くしていくという演出をしていたのを思い出しました。その演出によって、なるほど光によってこんな違いがでるのかと関心をしたと同時に「金箔や銀箔の屏風の、自然光による見え方の違いを確かめてみたいな」と思ったものでした。いづれそんな贅沢をしてみたいという思いが蘇りました。