カトウのブログ

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天使のくれた時間

突然、高校時代の同級生からメールが届き30数年以上ぶりに再会しまいた。お互い様だけど、容姿が変わり過ぎて分からなかったらどうしようなどと少し不安を持ちつつ待ち合わせ場所に向かったのですが、会ってみると何を心配してたんだと思うくらい。すぐに認識でき、若干の無理は承知しつつも「変わってないじゃない」なんて言い合うくらいでした。

しかし、飲みながらじっくり話をすると、その後の人生の違いが浮き彫りに。友人はとても社会的に立派になっていてとても誇らしいものでした。「どこで違っちゃっただろうか」などと一瞬我が身を省みるくらいに。

 

正月に観た映画「天使のくれた時間」(2000年アメリカ・ブレット・ラトナー)は、主人公が「もし違う生き方を選択したら、どんな人生を歩んだのか」を体験してしまう事になるというファンタジー映画でした。そう名作「素晴らしき哉、人生」をモチーフにした映画です。

 

「天使がくれた時間」は、すでにビジネスで大成功していて、いまだ目を血走らせながら野心を燃やして生きているような男ジャックが、ある日目覚めると、平凡な自動車タイヤショップの店員で在り来たりな家庭のお父さんになっていたという話です。しかしこれは天使がくれたプレゼントでどっちの生き方が幸せなのかをジャックに体験させてるためのモノだったわけです。(たぶん)

平凡だけど、あたたかい家庭がある生活とセレブだけど人を蹴落とす様な人生どっちを選ぶ?という話。格差社会が極る実にアメリカっぽい。これは2000年の作品だけど、2015年の日本でもかなりリアリティをもって見ることができる話です。

 

夢のある映画なので当たり前かもしれませんが、観終わって、ありえない話なのに何故か気持ちが晴れて、いい気分になれたのが不思議でした。自分も「ああしておけば違ったかも」なんてちょっと空想でもしたくなったからでしょうか。そんなことが案外心の慰めになったりするんですね。