カトウのブログ

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サッカー展

先日、アンディ・ウオーホルの作品がフロッピーディスクから発見されたというニュースがありました。それを聞いて、ウオーホルが「現在生きていたら、3Dプリンタで作品をつくっただろな」とか「ウエブやSNSも活用したんじゃないか」って感想を言っていた人がいたけど、ぼくはウォーホルがそんな当たり前のことするんだろうか?と思ってしまいました。むしろ、そういうものを嫌うんじゃないかなと思うんですけどね。

 

うらわ美術館の「サッカー展 イメージのゆくえ。」を見てきました。ここで紹介されていた。倉重迅のビデオインスタレーションが面白かったです。

説明では「現代ではいろいろな技術が進み便利に簡単になったおかげで、大事なものが失われている。」(たしか、そんなような意味の事が書かれていたはず)とされていました。なので作品は手作り感まんてん。思わず笑っちゃう感じ。しばらくの間ニヤニヤしながら見てしました。

 

作品は大きなスクリーンに制作風景が映し出されているんですけど、これを見てるだけでも面白い。学生がふざけているようにも見えるけど、これも含めて作品ということ。

横においてある小さなモニターにはその完成作が映し出されてる。内容は「フォワードの選手がボレーを決めて、ゴールキーパーがセービングするが届かず。ゴールキーパーは悔しがり、得点を決めた選手が喜ぶ」というだけ。

 

ゴールもボールも手作り。元は何もない白い部屋にガムテームを貼ってゴールに見立て、ボールは棒の先に段ボールを丸めた感じのもの。それを黒子役の人がボールの軌道通りに動かす。コントのセットみたいなものですね。フォワードの選手がボレーを決め、ゴールキーパーはセービングするというシーンを撮影して、それを後で余分な部分を編集で削除して上のシーンにして出来上がり。(編集しているところは映像になっていないけど、たぶんそういうことでしょう)

こんな感じで作った映像とはいえ、これがかなり面白い。何で面白いのかは謎だけど。面白いのは間違いない。

 

ふざけているようだけど、こまめにモニターチェックして撮影を繰り返す。それをおそらくデジタル編集ソフトなどを使わずに編集したんじゃないかな。この手作り感はたまんないですね。しかもディティールのこだわりが反映されて完成したボレーシュートの形がけっこうきれいだったし。間違いなく安易なデジタル技術では表現できない何かが映り込んでるとしか言いようがなかったですね。

ちなみにボレーを決めたのは女の子。なかなか見事な身のこなしでした。