カトウのブログ

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書体入門

『本を読む人のための書体入門』(正木香子著・星海社新書)を読みました。普段、チラシやリーフレットを制作している仕事柄、「この印刷物にはどんな書体がいいかな」などと毎度考えているのですが、「なるほど書体ってそういう風に考えて、接するものなんだな」とすごく参考になりました。また、何と言っても、書体に対しての思いがとても強いのが驚きでしたね。

 

この本では「書体を見分けるとは、文字の中に記憶を見いだすことである。」といっています。そして、文字の印象を言語化することをすすめていました。例えば、文字を見て、あるいは本を読んで『優しい』『おもしろい』『こわい』と何故感じたのか?と自分の心に問いかけてみるといいと書いていました。

印刷書体には、機械的な制約があるからこその良さ、伝わり方、感じ方があるので、問いかけてみて言語化することで見えてくるものがあるというのです。

 

さらに、「子供にはファストフードのような文字は読ませたくないと思います」とも書いてました。ファストフードのような文字とは、一見わかりやすくて、印象に残るかもしれないけど、想像力を必要としない文字だそうです。例えば「恐いときの書体」とか「悲しいときの書体」とか、最初から使用目的を想定したフォントということです。「人間の感情はそんな単純じゃない」。

 

このへんはなかなか説明しずらい。ぼくもまだはっきりとは掴みきれていないけど、この本を読めばどんな事を言っているのかは、よくわかりました。書体の考え方が変わったかもしれません。今後、仕事をする上で何か良い影響がありそうな気もしています。