カトウのブログ

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万年時計、驚きました

ニュースで最近人気の音楽配信サービスの話をしていました。なんでも、AI(人工知能)によって、その人の好みの曲を提供してくれるサービスのようです。例えば「悲しい」とか「楽しい」とかのワードを選択すれば、その人好みの曲を2000万曲の中から選んでくれるという事らしい。すでに欧米ではかなりの会員数を集めているとか。人工知能が曲選びをしてくれるって、そんな時代になったんだなと関心してしまいました。

 

ところで、先日、NHKハイビジョン特集『万年時計 江戸時代の天才が生んだ驚異の機械時計』を見ました。この番組は、江戸時代の天才職人・田中久重が作り上げた機械時計の最高傑作「万年時計」の複雑な内部構造を明らかにして、日本の「もの作り」の原点を探る。というものでした。(田中久重は、江戸時代から明治時代にかけて「からくり人形」などを作っていた職人。「東洋のエジソン」とか「からくり儀右衛門」と呼ばれていた発明家でもあった人らしい。)

 

番組では「万年時計」の前に田中久重の作った「からくり人形」が紹介されたのですが、これが見事。弓を引いて的に当てるだけの人形だけど、すごい技術なんだろうというのが、説明されなくてもわかる代物。さらに、弓を引くときの頭の傾き方のリアルさは、細部へのこだわりと同時に美的なこだわりを感じさせるものでした。

 

「からくり人形」も驚きだったけど、「万年時計」はさら細部を探れば探る程驚きの連続でした。現代の技術者100人が集結して、この時計を分解して復元したのですが、その内部構造といったら、たった一人で作ったとは到底信じられないもので、復元に関わった現代の技術者も驚きの声を上げていました。

 

今のようにコンピュータや便利な機械が何もない時代。当然、自らの発想のみで工夫を凝らして作り上げたということなんですね。

我々は、いろいろな技術力の進歩で自分自身も人間として進歩しているように思ってしまいがちだけど、こんな凄いものをを見せつけられると現代人は完全に退化している部分はあるんだろうなと思ってしまいました。

 

単純に昔の人の歩く距離を考えてみても、今では考えられない距離を考えられない速度で歩いていたんじゃないかって想像します。大昔に遡れば、古代のピラミッドやナスカの地上絵やモアイ像など、どうして作れたのか謎がいくつもあるし、そのまえに大きな石をどうやって運んだの?という不思議がたくさんある。難しい計算式だって使っていたんでしょ、きっと。AIで音楽配信もいいけど、あまり何かに頼り過ぎるのは、危険なのかもと考えちゃいますね。