カトウのブログ

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映画『アカシアの通る道』

『アカシアの通る道』とうい映画を見ました。アルゼンチン・スペインの映画で舞台は南米、パラグアイからアルゼンチンのブエノスアイレスへトラック運転手のおじさんが人に頼まれて赤ちゃんとそのお母さんである女性を乗せていくというただそれだけの映画。登場するのはその二人プラス赤ちゃんだけで、会話もほとんどなし、トラックのおじさんはちょっと汚い無愛想な感じだし、女性の方も化粧化もなく地味な人。しかも特別な事件もない。よくこれで映画になるなという感じだけど、これがとても心にしみました。もしかしら、物足りなさを感じる人が多い映画かもしれないけど、好きな人は好きという映画かもしれません。

 

日本の反対側で生活している人も、日本人の我々となんら変わらいんだなと思えて、共感できる。映画はそういう体験ができるのが貴重です。この映画を見ていると、まったく知らない人同士が偶然に出会って、わずかではあるけど徐々に情のようなものが出てくるのが、柔らかく伝わります。縁がある人ってきっとそんな感じ。もしからしら、そらから長く付き合う事になる人かもしれい。人生って考えてみると、こんな偶然から生まれることって多いんだろうなと思ってしまいました。

 

この映画は人の自然な僅かな感情をうまく現していました。だから見ていて飽きない。人の表情や目の優しさが、始めの印象とラストでは違って見えてくる。たぶんそういう映画は良い映画なんでしょうね。ちょっといい気持ちになれた映画でした。

 

映画『アカシアの通る道』原題Las acacias 2011年/アルゼンチン/スペイン 監督/パブロ・ジョルジェール